トップコミットメント

お客様、地域、社員とともに、より良い未来を創造する「地域価値共創グループ」を目指し、持続可能な地域社会の実現に貢献してまいります。

皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
 九州フィナンシャルグループは、2015年10月の創立から、5年を迎えました。
この間、2015年の国連サミットにおいて、社会課題を解決し持続可能な世界を実現するための国際目標であるSDGsが採択され、現在でも気候変動や地殻変動による度重なる自然災害の発生や新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大など、企業を取り巻く環境は大きく変化を続けております。金融機関のみならず、あらゆる業界・業種で、自社の持続可能性の脅威となりうるパラダイムシフトが起きつつあります。
 この劇的に変化する環境下において、私ども九州フィナンシャルグループはSDGs課題や気候変動、労働と人権の問題などが引き起こすリスクを認識し、自社のサステナビリティ活動を経営の重要課題と位置づけます。地域に根差した地域金融機関として未来を見据え、これらの課題を悪化させないためのソリューションを提供し、新たなビジネス機会を地域に創造してまいります。
 お客様、地域社会、そして社員の持続可能性の追求を3つの柱とする「グループ経営理念」を軸とした「現場重視のチームワーク経営」を行う当社グループの目指す姿を、皆様にご理解いただけたら幸甚に存じます。

代表取締役社長
笠原 慶久

「自主・自律・自発」現場主義のエコシステムそれが九州フィナンシャルグループ

九州フィナンシャルグループは、2015年10月1日、熊本県と鹿児島県のそれぞれのトップバンクである、肥後銀行と鹿児島銀行の経営統合により、設立いたしました。これは、全国的にも類のない経営統合でした。
経営基盤が盤石な健全行である 2行が経営統合したのは、10年先、20年先を見据え、少子高齢化による市場規模の縮小や、デジタル社会到来によるリアルとバーチャルのバランスある地域社会の在り方などの課題を抱える地元を地域金融機関として支え、発展に導いていく役割を果たすためであり、そのために、一層盤石な経営基盤を確立し、未来の地域密着型の金融モデルを築いていくことを目指しているからであります。
九州フィナンシャルグループが、他の金融グループと大きく異なる特徴は、「グループ経営理念の共有」に拘る一方、「現場主義」を徹底していることです。当社グループは、中央集権的なグループ経営ではなく、お客様や地域に一番近い子銀行に軸足を置いた経営体制を敷いており、子銀行の「自主・自律・自発」を重んじ、徹底的に地域へ密着することに拘った金融グループです。
一方で、デジタル分野など新規事業の開発や内部統制の高度化といった分野はグループに集約し、専門性や効率化を高めていくという、集中と分散のバランスのとれたビジネスモデルの構築、つまり「現場主義のエコシステム」を目指しています。
当社のシンボルマークは、「大樹」をイメージしています。「大樹」は、大地に根をはり、いくつもの大きな幹が折り重なって、巨木となっています。その葉や幹のひとつひとつが、それぞれの機能をしっかりと果たすことで、さらに大きな木に育っていく。それが九州フィナンシャルグループが目指す形です。

グループ経営理念の追求

九州フィナンシャルグループの経営理念は、方向感・指針ともに同じベクトルを持った肥後銀行・鹿児島銀行の企業理念を包含し策定したもので、グループ全体を貫く理念であるとともに、両行の思いが一体となった、当社グループの最上位価値基準です。
当社グループは「自主・自律・自発」を行動の指針として掲げる「現場主義の金融グループ」です。変化を続ける外部環境の中で、個々の組織や社員がそれぞれのお客様や地域の課題解決に対し、当事者意識を持ち、自ら考え、行動するにあたって、常に拠り所となるのが、このグループ経営理念です。
第一の「お客様の信頼と期待に応え、最適かつ最良の総合金融サービスを提供する」とは、「お客様価値の創造」に努めること。 第二の「地域とともに成長し、活力あふれる地域社会の実現に積極的に貢献する」は、地域にしっかりとコミットし、「社会価値の創造」に努めること。
第三の「豊かな創造性と自由闊達な組織風土を育み、よりよい未来へ向かって挑戦し続ける」は、社員の自主性・創造性を育て、社員にとっても素晴らしい会社を作るという「社員価値の創造」にコミットしたものです。
このグループ経営理念の実践は、お客様価値、社会価値、社員価値を高め、そして、結果として、当社の業績向上が実現し、株主価値を増大させるものです。
つまり、グループ経営理念は、「共通価値の創造(CSV= Creating Shared Value)」であり、当社が追求すべき経営の軸となるものです。

持続可能な地域社会実現のキーワードは、「DX 」と「SDGs」

「DX」は地方経済再生の最重要課題

地方における少子高齢化による人口減少の加速は、放置すれば域内の需要の減少をもたらし、企業の投資意欲は減少、経済規模は縮小というマイナスのスパイラルを発生させますが、その解決策となるのが、飛躍的な生産性向上を果たすための「DX」への取り組みです。
新型コロナウイルス感染症の問題は、Society5.0の入口にある日本において、そして、特にその取り組みが遅れていた地方においても、テレワークやリモートによるコミュニケーション手段の活用など、デジタル化を一気に加速させ、働き方や生活スタイルを大きく変化させました。この、「ニューノーマル=新常態」は、たとえ新型コロナウイルス感染症問題が収束したとしても、元に戻ることはなく、デジタル化を含めた「ニューノーマル」への対応こそが、地域経済を発展させる切り札であり、その支援が地域金融機関の重要な役割であると考えています。まずは、我々自身が変革すると同時に、当社グループの様々なネットワークを活用し、持続可能な地域社会の実現に向けた「DX」への取り組み支援を、徹底的に行ってまいります。

経営理念と表裏一体の「SDGs」

持続可能な地域社会の実現を目指すうえで、もうひとつ欠かせないキーワードが「SDGs」です。
先ほど申しあげた通り、当社のグループ経営理念の実践は、「お客様価値」「社会価値」「社員価値」を高めることであり、その結果がグループの業績に繋がり、「株主価値」も高めていくというものです。そして、この活動は中長期にわたるものとして、環境、社会に配慮しつつ経済活動を円滑にまわしていくSDGsと考え方のベクトルが一致しており、当社では、SDGsの取り組みは、新しく始めるものではなく、すでに経営理念に織り込まれているものと捉え、本業として実施しています。
当社グループは、従来から、地域社会と共に歩む銀行として、環境や社会に対する課題に積極的に取り組んでまいりましたが、グループとして、SDGsの観点を明示的かつ体系的に強化し、事業を展開していくため、専門部署を新設し、「サステナビリティ宣言」を策定しました。グループ一体となって「持続可能な社会の実現」に取り組む枠組みを整備し、自治体やお取引先企業などとも連携して、具体的活動を行いながら、地域全体にSDGsの輪を広げる活動を展開しています。

私ども地域金融機関は、お客様と地域の持続的な発展とともにあります。真に地域の発展のために、自らの責務を全うすることが、使命であることを肝に銘じ、地域のお客様とともに、持続可能な社会づくりに貢献してまいりたいと思います。

今後とも、当社グループに対するなお一層のご支援、ご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申しあげます。